1 自賠責における後遺障害認定手続

被害者が後遺障害による損害について賠償額の支払いを受けるためには、その後遺障害が自動車損害賠償保障法施行令別表第1又は第2に掲げられている後遺障害に該当する必要があります。
 では、どのような手続で認定されるのでしょうか?

 自賠責保険においては、制度の一環として、損害保険料率算出機構及びその下部組織である自賠責損害調査事務所による等級認定手続が整備されています。
 損害保険料率算出機構は、損害保険料算出団体に関する法律に基づき設立された損害保険会社を会員とする団体です。
損害保険会社を会員とする団体といえば、損害保険会社に有利な判断をするのではないかと危惧する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そうではありません。
あくまでも法律に基づき設立された団体であり、国が運営する自賠責保険制度における損害の認定等を中立的な立場で行っているのです。

損害調査において、自賠責損害調査事務所では判断が困難な事案については、その上部機関である地区本部・本部で審査が行われます。
自賠責損害調査事務所では判断が困難な事案とは、後遺障害の等級認定が難しい事案、支払がされないか減額される可能性がある事案等です。
2013年8月現在、地区本部として、北日本本部、首都圏本部、関越本部、中部本部、近畿本部、中四国本部、九州本部があります。

特定事案については、自賠責保険(共済)審査会において審査が行われます。
特定事案とは、認定困難事案及び異議申立事案です。
自賠責保険(共済)審査会は、審査の客観性・専門性を確保するため、日本弁護士連合会が推薦する弁護士、専門医、交通法学者、学識経験者等の外部専門家が審議に参加するとともに、事案の内容に応じ各専門分野に分けて審査を行います。
専門部会の例としては、高次脳機能障害専門部会(脳神経外科医、弁護士等で構成。高次脳機能障害とは、交通事故により脳が損傷されたために認知障害、人格変化等の症状が発現する障害であり、仕事や日常生活に支障を来たし、また、半身の運動麻痺や起立・歩行の不安定などの神経症状を伴うことがあるとされており、これに該当する可能性のあるものについて審査を行う。)、非器質性精神障害専門部会(精神科専門医等で構成。非器質性精神障害とは、脳の損傷を伴わない抑うつ状態や不安状態など様々な精神症状を残す障害であり、これに該当する可能性のあるものについて行う。)があります。

2 自賠責における後遺障害認定の結果に不満があるときは?

  
 認定の結果に不満があるときは、被害者請求の場合にあっては被害者が直接自賠責保険会社に対して異議申立てを行うことができ、事前認定の場合にあっては任意保険会社が自賠責損害調査事務所に対して再認定の依頼(異議申立て)を行うことができます。
 事前認定の結果に対する被害者からの異議申立てについては、被害者との関係においては一括払いの取扱いにあたる任意保険会社が対応し、上記の手続を取ることになるのです。

 異議の当否については、自賠責保険(共済)審査会で審査されます。
 異議申立てには、回数制限はありません。
しかし、新たな主張・立証がなければ従前の判断は変更されにくいでしょうから、従前の主張・立証による認定を求める場合には、一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、「紛争処理機構」といいます。)に対する調停申立て(紛争処理申請)などの方法を検討すべきことになります。

紛争処理機構は、平成14年4月1日に施行された自動車損害賠償保障法23条の5に基づき、自賠責の保険金等の支払に係る紛争の公正かつ適確な解決による被害者の保護を図ることを目的として設立された民間による裁判外紛争処理機関(ADR)です。
紛争処理機構においては、紛争処理を実施するため、公正中立で、専門的な知識をもっている弁護士、医師、学識経験者からなる紛争処理委員による3名以上の合議制で審議が行われます。
審議の結果は当事者(請求者、保険会社等)に対して、「調停(紛争処理)結果」と題する書面で通知されます。
民間による裁判外紛争処理機関(ADR)とはいえ、紛争処理機構の調停案は、保険会社または共済組合を事実上拘束します。なぜなら、調停結果を守ることについては、自賠責普通保険約款・自賠責共済規定等に定められているからです。
もっとも、調停案に対する不服申立ての制度はなく、不満がある場合には訴訟を検討することになります。

3 当事務所では・・・。

当事務所では、交通事故無料相談会を定期的に行っております。
その際、後遺障害研究のNPO団体にも参加していただいており、「後遺障害」について、参加者の皆様にわかりやすく説明し、等級を獲得するにはどうすればいいのか的確なアドバイスをさせえいただいております。

尚、事務所での交通事故相談は、相談会のみならず、初回無料とさせていただいております。交通事故に遭われて、どこに相談すればいいか悩んでいらっしゃるのであれば、一度当事務所へお気軽にご連絡ください。